ウエイダーは必須アイテム
水の中に立ち込むことをウエイディングと言います。そのために必要になってくるのがウエイダーです。


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濡れなければなんでもいいと言う考え方もありますが、記念すべき魚との出会いや、まばゆいばかりの景色のなかでの記念撮影をしたときにカッコイイ、あるいはスマートなウエイダーを選びたいものです。

ウエイダーはフィッシングファッションの一部なのです。



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水に入らないほうがいいという人もいるけれど

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釣りをするために水辺に出るのですから足元の濡れは気になりますよね。
できれば濡れたくない。そんな人もいるはずです。
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ボートや船に乗って釣りをする場合はウエイダーは必要ありません。
でも、川釣りでも海釣りでも、水に入らなくて済む釣りは桟橋か護岸、あるいは防波堤の上から釣るときに限られます。

川で釣る場合、ウエイダーがあると行動範囲は非常に広くなります。

逆に

ウエイダーがないと釣りができない場所もたくさんあります。
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ウエイダーを履くと次のメリットがあります。
・魚がいる場所に積極的に近づいていける。
・浅い川なら対岸に渡れる。
・渓流釣りのように川の中を歩いて釣りながら上って行く。
・フライフィッシングの場合、ちょっと水に入ればバックスペースが確保できる。
・フライラインを水面に落としておけば、ラインの処理がしやすい。
・魚とファイトしやすい。魚が下流に走ったときもついて下れる。
・浅瀬で膝がつける。
・エサ釣りの場合、川虫獲りが楽。
・ウエイダーを履くと、その気になる。気合が入る。

そのほかにまだまだあると思います。


IMG_1812.jpg水に入って釣りをするのは面白いです。


さらに、
ウエイダーを履いて川の中に入ると、
水と一体になって癒しになる。
という究極の理由があるのです。

川の水が冷たいので、夏の海のように水着で入るわけにはいきませんが、、、。人は水に浸かると、母親の胎内にいたころのような安心感があるのでしょうか?
水に入りたいという人は、前述の濡れたくないという人よりも多い気がします。

さあ、あなたもウエイダーを履いて水と戯れましょう。

20100615利根川 014.jpg仕方がないから川の中に入るのではなく、入ることによって癒しを得られることに気づいていない人も多い。

こちらのブログもよろしくお願いいたします。

ウエイダーを選びましょう
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○ウエイダーの分類


ウエイダ-にはその長さによって機能や呼び方が変わります。

ニーブーツ
ヒップウエイダー
ウエストハイウエイダー
チェストハイウエイダー

などが代表的です。

フライフィッシングは恰好から、と考える人も多く、チェストハイウエイダーは人気のあるウエイダーと言えます。

大は小を兼ねる、ではありませんが、チェストハイウエイダーがあればすべてをカバーすることも事実です。
 でもね、いつもチェストハイが快適と言うわけではなりません。
 用途に応じて履きやすい、使いやすいウエイダーをここでは紹介していきましょう。

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また靴底(ソール)にも種類があります。

       フェルト           川釣り、湖、海の浅瀬
       デッキタイプ        ボート用
       ポンド(ラジアル)タイプ 汎用
       スパイクタイプ       磯釣り用

フェルトとスパイクを混合させた、滑りどめ強化タイプもあります。


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○ウエイダーの素材

快適な釣りを求めて
 一般的な軽量タイプはナイロンでできています。一番安価で多くでまわっているのはPVCコートとされたものです。PVCとはポリ塩化ビニール(polyvinyl chloride)です。柔軟性に優れ、防水性にも優れています。価格も安くて、最初に1本には抵抗がありません。
 しかしこの素材は、水を通さないだけでなく、汗も通しませんから非常に蒸れやすいです。

 そこで近年では、防水透湿素材を用いた製品に人気があります。水の分子は通さないけど、水蒸気の分子は通すので蒸れない素材です。

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 中でもゴアテックスは、値段も一番高いのですが、品質も良いと評価されています。格安な防水透湿素材の製品もありますが、有名メーカーのものでないと、安かろう悪かろうというものも多いみたいですからご注意を。
 予算があるならぜひともゴアテックス製をお勧めいたします。

温かく過ごすなら

2010年11月荒川 146.jpg濡れなきゃいいという、機能重視はもちろん。ファッションセンスも磨いて自分に合ったものを選びたいですね。
 クロロプレーンという素材は、冷水用、寒い季節用です。ちなみにネオプレーンはクロロプレーンを素材としたデュポンの商品名。
 2月、3月解禁当初の寒いときは川に入らなくても温かいです。11月以降の本流やサケ釣りは水に入りっぱなしですので、小春日和の暖かな日でも有効です。
 カナダやアラスカなら夏でも水は冷たいのでクロロプレーンがいいです。

 寒い時期でも川に入っている時間が短い釣りならば、蒸れるのが嫌だからと、ゴアテックスウエイダーの中にフリースパンツなどを履いて暖を求め、汗をかかずに快適に過ごすことを優先する人もいます。

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 なお、ゴアテックス、PVCナイロン、クロロプレーンなどの素材の科学的な解説はここではしませんから、興味のある方は、各ウエブサイトを調べてください。

○アンクルブーツ・ニーブーツ

20100326マルタ 062.jpgこども用のニーブーツはなかなか売っていません。これはクロロプレンのブーツ。
いわゆる長靴です。 くるぶしが隠れる程度のアンクルブーツ(ショートブーツ)と、膝まであるニーブーツ(ロングブーツ)があります。

両方とも川や、池では、スニーカーだとちょっとだけ濡れちゃうという場合や、ぬかるんだ岸、または雨の時に、レインウエアとあわせて使うと足は濡れません。
20100429ロストルアーズ 317.jpg 雨の管理釣り場にて(福島ロストルアーズ)。レインスーツとアンクルブーツの相性は最高。

 ボートフィッシングでは同様に、ボートの中に水を流して、魚の血を洗ったりしますから、足元が濡れることもあるのです。ボート専用のものはデッキブーツと呼ばれ、ソール(靴底)がボートの平面に密着して滑りにくくなっています。

 これらブーツにはネオプレン、クロロプレンと呼ばれるウエットスーツの素材と同じ、発泡ゴムを使ったものがあり、冬は足元が暖かいです。


20091021青木丸 043.jpgこれから遊漁船に乗ります。潮を被るのでレインウエアにブーツを履いてます。


ボート釣りにはブーツかサンダル、デッキシューズを

船の上は安全です。とはいえ、私たちは釣り、という活動をしますから、足元には注意を払いたいものです。

漁師はカッパに長靴がユニフォームです。私たちも多々同じ格好で船に乗りますが、夏の暑い時期はサンダル。水に濡れることの少ない船ならデッキシューズも有効です。
サンダルはつま先がガードされ、ストラップの付いたク○ックスなど、滑りにくい安全なものがあります。つま先が出たビーチサンダルは危険ですので止めましょう。

20100731青木丸 018.jpg相模湾のオフショアはサンダルでもOK。

mariko6.jpg活発に動く回る釣りなら、滑りにくいデッキシューズも。 ただしこんなときでも船長は裸足、なんてことも。

○ヒップブーツ・ヒップウエイダー

20090501登戸 014.jpg温かなGWの多摩川。こどもはサンダル。大人はヒップブーツ。

 太ももの上まであるウエイダーです。膝ぐらいしか入らないと分かっているときは動きやすくて便利です。
 昔はバカ長と呼ばれていました。馬鹿に長い長靴だったのでしょうね。今は特長(とくなが)、超長(ちょうなが)と呼ぶ場合もあるようです。 
 サイドにストラップが付いていて、これをベルトに通して止めるとずり落ちてきません。
 また二つ折りになって水の中に入らないときはニーブーツのように折りたたみができるタイプもあります。


ソールは主にフェルトタイプとラジアルタイプがあります。

多摩川ではヒップウエイダーを愛用する人が多いです。

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ヒップブーツの注意点があります。それは太ももの深さでも川の流れがあると、水しぶきで上から水が入ってしまうことです。
また川の中で膝をついた時、お尻が水面に付かないように十分注意しましょうね。

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○ウエストウエイダー

20100722多摩川スペイ 029.jpgここまでならウエストハイでカバーできます。

 ウエストハイウエイダーとも呼ばれます。腰まであるズボンタイプのウエイダーです。ストラップ、あるいは腰のベルトで止めます。

 渓流釣りや、ほんの浅瀬で釣る時に使います。安全のためにはまず腰より深く入りませんから、このウエイダーは万能であると言えます。また歩きが多い時も動きやすいと思います。

20090822-25北海道 075.jpgルアーフィッシングもあまり立ち込まないのでウエストハイがいいかも。

エサ釣りの方はほとんどがウエストハイウエイダーではないでしょうか?

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アユ用のネオプレンタイプも「ウエストよりちょっとハイ」ぐらいです。

 私が1年間にウエイダーを履く機会の中では、おそらく80%以上がウエストウエイダーだと思います。

20090822-25北海道 257.jpg北海道の釣りでもウエストハイで。

 ソールはほとんどがフェルトタイプで、ウエイディングシューズと呼ばれる靴を併用するストッキングタイプと、靴が付いていてそのまま履く、ブーツフットタイプの2種類があります。(後記)

○チェストウエイダー

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 チェストハイウエイダーとも呼ばれます。
前述の通り、大は小を兼ねるではありませんが、1本のみウエイダーを所有するならチェストハイがすべてをカバーします。

チェストハイウエイダーを履くと、結構その気(笑)になります。

20108月北海道 054.jpg渓流でもやはりチェストハイは安心という話も。


 チェストハイのいいところは、深く入れるだけでなく、胸まである素材がウインドブレイカ―の代わりになります。
また魚を取り込み、リリースする時に、川の中に座り込んだりすることがありますが、そんなときでもお尻は濡れません。
また真夏の暑いときには、浅瀬に座ると気持ちいいです。

個人的意見では、チェストハイは絶対に透湿素材でお求めください。

ちなみに私は汗かき素材ならチェストハイウエイダーは履きません。


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 水温が極端に冷たい時はクロロプレーン性が活躍します。クロロプレーンはウエットスーツの素材と同じで、保温性が高いのです。
 素材厚が3mm~5mmがあり。3mmは、水は冷たいけど動きまわる釣りに、5mmはあまり動きまわらない釣りに使用するといいです。極寒用に7mmというのを作っているメーカーもあるようです。

 私はカナダの川に通っていた頃、最初は3,5mmのストッキングタイプでシューズを履いていました。後半は、ブーツフットに替えました。こちらのほうが履脱しやすくて、しかも温かいからです。


Crispiox 09 004.jpgこんなときはクロロプレーンだね。

今日本の寒い時期はクロロプレーンのブーツフットのみを使用しています。


200911291201荒川 150.jpg11月末の新潟県荒川でのサケ釣りは、朝寒くて陽が昇れば暖かくなって、、、。クロロプレーンとジャケットの組み合わせがいい。暑くなったらジャケットを脱ぐ。


20100315桂川 061.jpg解禁当初のヤマメをリリースする。気温は朝、氷点下。



○ウエイディングシューズと、ブーツフット

bu-tufutto.jpgブーツフットタイプの透湿素材のウエイダー

ウエストハイとチェストハイにはブーツフットタイプとストッキングタイプがあります。

IMG_1836.jpgストッキングタイプのウエイダーでウエイディングシューズを履いた例。


ブーツフットは普通の靴が一体化になったウエイダーです。ストッキングウエイダーにはウエイディングシューズを履いて使います。

どちらも一長一短です。

20101006浜松 058.jpg左がストッキングウエイダー、真中のシューズと組み合わせる。右はブーツフット。

 ブーツフットは、脱いだり履いたりしやすいので、車で移動しながら行う川の釣りや湖の釣りなら、その度に脱いで車に乗るのが億劫ではありません。
 サイズが1cm刻みなので、それに自分の足が合うかどうかですね?合わない場合はやや大きめを購入して、靴下の厚さで調整します。

ストッキングタイプは脱いだ時にシューズとウエイダーを別々に干せますから、乾かしやすいです。ウエイダー部分はひっくり返せます。しかも別々にパッキングできるので、荷物が限られる遠征時には収納しやすいです。
 しかし脱いだり、履いたりが頻繁にある釣りの場合、面倒です。

20090822-25北海道 287.jpgランチタイム。すぐに脱いで食事の体制を取れるのはドノタイプ??

 一度履いたら少なくとも半日以上は釣りをしていて脱がない場合にはお勧めです。
 ストッキングタイプにはグラベルガード(砂利よけ)が付いていて、ウエイダーを履いてシューズを履いた後、その境目にこのグラベルガードで被せるようにカバーすると、川の砂利がシューズの中に入りにくくなります。

 以上のように、便利だ、面倒だに関わりなく、この2タイプの選び方の基本は、歩く距離でしょう。歩く距離が長いのならシューズを履いたほうが、足元がしっかり紐で固定されますから有利です。

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○サイズは?

ウエイダーの老舗「双進」(そうしん)のカタログを見てみると
サイズ表が出ています。
リバレイコンフォートチェストハイブーツフットウェイダー

size5088.gifちなみにSSサイズは生産数が少ないそうだ。リバレイでも2機種のみ展開。

私は身長172cmで靴のサイズが26cm。ですからLサイズがちょうど合うわけです。この0,5cm大きいのはまったく気になりません。というより、これぐらいはゆとりが欲しいものです。
ところが同じリバレイのクロロプレーンウエイダーの場合はM(25,5cm)がぴったり合うのです。
 メーカーが違うのならわかるのですが同じメーカーでなぜ??
 この疑問を「リバレイ」というブランドで有名な「双進」の企画マン伊藤征央さんに聞いてみました。
「クロロプレーンは寒いときに履くので、靴下もさらに厚くなりますからゆとりを持って作ってあります。」とのこと。つまり通常の靴下でピッタリ履くならM、ゆとりを持つならLってことですね。

ちなみに家内は身長160cm。靴のサイズは23cmでSSでちょうどよいぐらい。(今はSSがありません)

長男は身長168cmで靴のサイズ25,5cmでMがぴったり。

仲間のY子さんは身長158cm靴のサイズは24cmでSです。
K子さんは身長155cmで靴のサイズは22,5cm。SSでもブーツフットの場合、ちょっと緩いのでちょっと厚手の靴下を履いているそうです。夏季は厚手靴下では暑いのでインナーソールを一枚プラスで入れているそうですが、歩きにくいそうです。ブーツフットも使っていますが、ウエイディングシューズを履いて紐で締めるほうがSSサイズが足にフィットしていいそうです。

●少ない女性サイズ

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女性サイズと言うべきSまでは、いろいろなメーカーから出ていますが、Sサイズは24、4cmが基準です。

24cm以下、結構女性に多い23cmとか23,5cmのSSサイズの企画がほとんどないのも残念です。

家内は、「あるものしか履けない。」という状態でした。

リバレイの旧製品は持っていますが、これが破れたりして修理不可能になったら終わりです。


 以前は双進にもアクアマックスという廉価版の防水透湿素材の製品や、ヒップウエイダーにもSSはありました。しかし、2013年ついにSSサイズがカタログから消えました。

前述の伊藤さんによればSSサイズは非常に需要が少ないとのこと。

これだけ女性釣り師がいるのに川で釣りをする人が少ないんでしょうね。

でもね、いくら売れないからって、ウエイダーの老舗「双進」としてはSSサイズがないのはマズいんではないでしょうか?(笑)

仲間の女性たちからの情報ですと、ダイワのウエストウエイダー、リトルプレゼンツのストッキングチェストハイウエイダーにはssがあるそうです。


透湿素材でないものは、あの有名な量販店「上州屋」にありました。ご参考までに。



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その他のご注意と問い合わせ

ウエイダーの防水は万能ではありません。

何かとがったものやひっかきやすいものに座ると破れます。倒木に座るときもご注意を。渓流の藪こぎなどは、小枝などに注意しないと、穴が開きます。
また桂川など水中のゴミが多い場所では、鉄骨などがあってそれに当たると破れます。

クロロプレーンも頑丈ですが、やはり気を使ってください。
クロロプレーンの保温性には寿命があります。素材の中の気泡が潰れたら温かくなくなります。ゴムも劣化するでしょう。


気持ちは分かりますが、、、。
20100315桂川 073.jpgチェストハイだからと言って、過信することないように。

転倒にはくれぐれもご注意を。足の部分に空気が入っているので、足が上がって頭が水中に没することもあり、危険です。
また転んでウエイダーの中に水が入ると動きにくくなります。



製品情報

創業55年の双進のウエブサイトを参考にしてください。